染色について

型染めだからこそ表現できる美があります。

量産を前提とした型染めの特性を活かし、実用性のある美で暮らしに寄り添うという民藝の考えをもとに型染めによる藍染の製作を行なっています。

本藍染め

蒅、灰汁、ふすま、酒、貝灰のみを原料に発酵させた染液を管理する日本古来の自然な技術で染めています。藍染めは工程が多く力仕事でもあるので大変ですが、日本特有の美意識と精神性を感じられる技法であり表現方法です。


写真:原料の徳島産蒅藍

型染め

柿渋紙・洋型紙にデザインを彫ります。餅粉と米糠が原料の糊を型をおいた布に置き、乾いた後に染液に浸します。浸染(しんせん)という技法です。糊を置いたところが染まらないので、洗い落とすと模様が出てきます。

藍建の工程

灰汁作り

樫・クヌギなどの堅木を燃やした灰に熱湯を注ぎ撹拌します。異なるアルカリ度数の液体100L程度を6種類程とります。この作業には1週間ほどかかります。

蒅(スクモ)を練る、灰汁を足す、撹拌する


蒅を足や手を使い灰汁で練り、1週間ほどかけて嵩(かさ)を上げていきます。発酵を進めるために足す灰汁のアルカリ度数を調整しながら加えます。藍液の中の還元菌を発育させるために藍建の期間は3時間おきに撹拌をして酸素を送り込んでいます。

すずなが染色では、よりシンプルな藍建方法を追求し、蒅と灰汁のみで藍建しています。

藍液内の還元を確認したら(布が青くなる状態)、栄養のふすま、酒と貝灰を加えます。数日染液を休ませて染色を開始します。